”築浅の中古物件”と聞くと「安い」「キレイ」「設備が高性」「安心・安全」こんなイメージがありますよね。
いい物件を新築よりも安くお得に手に入れられるのが築浅中古物件の魅力です。
しかし中には、築浅でも避けたほうがいい中古物件があります。
それは、「リフォーム費用が高額」「冬寒い」「近隣に問題がある」物件です。
このような問題があると、新築で買うのと同じ様な出費になったり、快適に生活できなかったり、せっかく手に入れたマイホームを手放すことになったりします。
この記事では、避けたほうがいい築浅中古物件の3つのポイントを詳しく紹介します。
ぜひこの記事の内容を参考にして、失敗しない築浅中古物件選びに役立ててください。
キレイだと思ったのに多額のリフォーム費用がかかる中古物件
築浅の物件でも新築時からの不具合があったり、または使い方が悪く設備の劣化が激しいなどの問題がある物件は、思ったよりも多額のリフォーム費用がかかってしまうことがあります。
屋根や壁や柱など建物の安全性に関わる部分に問題がある場合は新築時に加入している「住宅瑕疵担保責任保険」で補償され、保険料で直すことができます。
しかし、安全性には関わらない程度の不具合や設備や内装の損傷は「住宅瑕疵担保責任保険」の適用対象外なのです。
そのためそのような問題点を直すには、買主が自分でリフォーム費用を出さなければなりません。
新築時からの不具合は
- 建具の建付けが悪い
- 壁紙の剥がれ
- 設備機器の故障
などがあります。
もし、前所有者の使い方が悪いと
- 通常より設備機器の劣化が早い
- 壁や水回りの汚れが激しい
- 換気が不十分で壁などにカビや腐食が発生している
などの問題があるかも。
たとえ安全面に支障がないとは言え、快適に生活するには放置できないことも多いかと思います。
購入前に気づけばリフォーム費用を予算に組み込んで考えられますが、購入して住み始めてから気づいた場合はローンの外に追加で出費をすることになります。
たとえ一見してキレイな築浅中古物件に見えても、不具合や痛みがひどい部分はないか、購入前の内見時に細かいところまで十分に確認をすることをおすすめします。
築浅なのに冬は寒さを感じる物件は避けよう
せっかくの築浅物件でも、夏は暑く冬は寒く快適に生活ができない物件があるので要注意です。
その原因は断熱性・気密性が低いこと、間取りが良くないことの2つが考えられます。
断熱性・気密性が低い原因は
- 断熱材の性能が低い
- 施工不良
- 施工者の技術不足
が考えられます。
断熱性・気密性は建築法で基準が定められていません。
そのため、建物ごとにその性能は様々です。
また、断熱材は種類によって倍近く断熱性能に差があります。建築の総費用を安く抑えるために性能の低い断熱材を使っているということもあります。
このようなことから、冬に気温が低い地域にもかかわらず、適した性能の断熱材を使っているとは限らず、築浅の物件であっても冬に寒さを感じる物件があるのです。
また、適切な断熱材を使っていても、施工不良や施工者の技術不足があると寒さを感じてしまいます。
施工不良や施工者の技術不足によって
- 断熱材の片寄り
- 断熱材を覆う袋に穴が空く
- 隙間が空く
など、断熱材が的確に設置されていないことがあります。
そうすると、本来の断熱性能を発揮できません。
また、壁の隙間を塞ぎきれていないと気密性が下がり、ますます寒さを感じやすくなります。
断熱性・気密性が低いと寒さや暑さを感じやすくなるだけではなく、結露が発生しやすくなります。
放置すると壁や壁の内部でカビ・腐食が発生し、建物を痛める原因にもなってしまいます。
断熱性・気密性だけではなく、間取りによって寒さや暑さを感じやすくなることもあります。
比較的新しい物件は間取りに多様性があります。中には「吹き抜け」や「リビング階段」「玄関スペースが区切られていない」というものが見られます。
一見オシャレで個性のあって良さそうですが、これらの間取りは玄関ドア開けるたびに直接冷気が入ってきたり、2階に暖かい空気が上がっていってしまったり、寒さを感じやすいのです。
冬の寒さの問題だけではなく、夏場は二階が猛烈に暑くなることも大きな問題です。
このような間取りだと快適に生活しにくい上に冷暖房効率の悪いため、築浅の物件でもこのような間取りの場合には慎重に検討することが必要です。
築浅の中古物件だからといって、冬暖かく、夏涼しく快適に過ごせるとは限りません。
契約の前に可能なら冬の寒い時期や真夏に内見をして暑さや寒さの状況を確認するのがおすすめです。
もしそれができなければ、窓周辺を中心に結露の跡がないか十分に確認するようにしてください。
建物に問題はないが近隣の環境が悪い
建物自体には問題がなくても、近隣の環境に問題がある場合があります。
もしそれが前所有者が築浅物件なのに手放した理由だとしたら、購入後に同じ理由で手放すことになりかねないため、十分に確認することが必要です。
近隣の環境問題は以下のようなことが考えられます。
- 隣人が神経質過ぎて文句を言われる
- 昼は静かだが夜に騒音がする
- 外で飼っている犬の鳴き声が大きい
- 近くから異臭がする
- 閉鎖的で近所付き合いが大変
このような問題は、建物の所有者が変わったからといって解決するのはとても難しいです。
「自分は大丈夫」「安くていい物件だから多少ガマンする」と購入して後悔をしないよう、しっかりと確認をしましょう。
近隣問題で築浅の物件を手放すケースは意外にも多いようです。
筆者も不動産業に関わっているときに「隣の家の犬が頻繁に吠える」や「薪ストーブの煙で隣人から執拗なクレーム」などで泣く泣く手放した築浅物件を見ました。
購入前の内見のときには建物や敷地だけではなく、周辺環境にも問題がないか確認しましょう。
また、売却理由が近隣問題ではないか仲介業者へ聞いてみることもとても大事です。
-
-
参考【隣人トラブルで精神的苦痛を受けた体験談】近所にヤベエ人が住んでいるとこんなヒドい目に遭う
近隣住民に「ヤベエ人」が住んでいると地獄です。 例えば、テレビでもよくやっている「ゴミ屋敷」が近所にあったら、もうやってられませんよね。 ただ、 ...
続きを見る
まとめ
「キレイ」「安い」「高性能、このようなイメージのある築浅中古物件。
しかし、中には思いがけないリフォーム費用がかかったり、寒さや暑さを感じてしまう物件もあります。
また、建物に問題がなくても近隣に手放した原因が潜んでいることもあります。
せっかくの築浅中古物件の購入で失敗しないために、内見のときに建物の内外と周辺環境を十分に確認しましょう。
そして、売りに出した理由は必ず聞くことをおすすめします。
そのほか、「建物状況調査」(※ホームインスペクションとも)が実施されている、または「住宅性能表示」を一つの目安にすることもおすすめです。
ぜひこの記事の内容を築浅中古物件選びの参考にして、後悔しないマイホーム選びをしてください。