スケルトンリフォームは中古物件を基礎と柱などの骨組みを残して解体し、自分好みに大きくリフォームできることが魅力です。
建替えと比べると費用を安く抑えられて、通常のリフォームと比べて自由度が高い変更ができます。
そんなスケルトンリフォームでも後悔してしまうパターンが2つあります。
それは「結局建替え並みに費用がかかってしまった」「思ったとおりに変えられなかった」の2つです。
この2つの後悔の原因を知ることで、満足度の高いスケルトンリフォームができるようになります。
そこでスケルトンリフォームで後悔する2つのパターンの詳細と、後悔しない5つのポイントをこの記事でお伝えします。
予算オーバーで建替え並みの費用がかかった
スケルトンリフォームで後悔するパターンの一つは、想像以上に費用がかかり、結局建替えと同じかそれ以上にお金がかかってしまうことです。
このような予算オーバーの原因は大きく2つあります。
一つは目に見えないところの修繕費用がかかってしまうこと。
スケルトンリフォームでは壁や床、天井を剥がします。そのときに初めて隠れた不具合に気づくことがあります。
隠れた不具合には次のようなものがあります。
- 柱や筋交いの腐食、ひび割れ
- シロアリの発生
- 基礎のひび割れ
- 水道管の劣化、損傷
このような不具合は、購入前には発見しにくいものです。スケルトンリフォームを始めてようやく気づいて、後から追加で補修の費用がかかってしまうことがあります。
もう一つは工事の打ち合わせを進めるうちに、こだわりを詰め込みすぎてしまうことです。
スケルトンリフォームの打ち合わせの回数を重ねるうちに、購入当初の予定にはなかった工事も追加で行ってしまうということも起こります。
たとえば、
- キッチンや浴室など水回りを新調、移動する
- 床を無垢材にする
- 壁紙のグレードを上げる
- リビングだけのつもりが全部屋の壁紙を変える
- 断熱性・気密性の性能を高める
特に水回りの位置を変更をしたくて、配管工事をすると100万円〜200万円という費用がかかります。
後から大掛かりな変更や追加が出ないように、スケルトンリフォームの計画は前もって十分に打ち合わせることが大事です。
建替えよりも費用を抑えられるのがスケルトンリフォームの魅力です。しかし想定外の出費や理想を要望を全て実現しようとした結果、建替えと同じ様な費用がかかってしまうと後悔する原因になります。
希望どおりのリフォームができなかった
スケルトンリフォームで後悔するパターンのもう一つは、希望どおりのリフォームができなかったことです。
希望どおりのリフォームができない原因は2つあります。
一つは構造上の問題です。建物の柱や筋交いの中には、構造に影響を与えるためどうしても取り払えないものがあります。その柱や筋交いが残るせいで広々とした空間が作れなかったり、キッチンの移動ができなかったりなど、希望が叶わないことも発生することがあります。
また建物の構造が「木造枠組壁工法(2×4工法など)」の場合は、壁を外すことができないため、壁を取り払うようなリフォームができません。
もう一つの原因は予算を重視しすぎることです。予算が少なかったとも言えます。前出の想定外の費用が発生するなどして予算内では一部しかリフォームできないということが起こり得ます。
たとえば
- 柱の腐食
- 基礎のひび割れ
- 耐震性の不足
など、建物の構造に関係する部分に問題があればそちらを最優先で直さなければならず、残りの予算内でリフォームをすることになります。
その結果
- 水回りを中心に一部しか変えられなかった
- 高額になる水回りはリフォームできなかった
- 壁紙や建具のグレードが低く安っぽい
- 収納を作れなかった
- 断熱性や気密性が低いまま
などというリフォーム結果になってしまいます。
リフォーム内容の自由度が高いことがスケルトンリフォームの魅力のひとつです。しかし構造上の問題や思わぬ出費が重なると、思ったようなリフォームができずに後悔してしまうこともあります。
スケルトンリフォームで後悔しないための5つのポイント
スケルトンリフォームで後悔しないためのポイントを5つ紹介します。
リフォームの優先順位をつける
リフォームの内容に優先順位をつけておくことで、想定外の費用が発生した場合にも予算内で満足度の高いリフォームをすることができます。
複数の業者に相見積もりを取る
リフォームの見積もりは必ず複数の業者に依頼をして、相見積もりを取りましょう。なおそのときは相手方に「相見積もりを取っている」と伝えることが重要です。
余裕を持った予算を設定する
想定外の費用が発生したときに備えて限度額の80〜90%で予算を組むと、余裕を持ったリフォーム工事ができます。
ホームインスペクションのある住宅を買う
ホームインスペクション(住宅診断)のある物件を選ぶことで、隠れた不具合を事前に確認でき、想定外の費用の発生を抑えることができます。
事前に設計図を手に入れる
事前に建物の設計図(平面図や断面図など)を入手できれば、外せない柱や残る筋交いなどがわかり、より正確なリフォーム計画ができます。
以上の5つのポイントのように、スケルトンリフォームで後悔しないためには、余裕を持った予算設定や建物に関する情報をできる限り事前に集めることなど、しっかりとした準備をすることが重要です。
まとめ
スケルトンリフォームは建替えよりも安く、自由度が高いのが魅力です。
でも想定外の出費で建替え並みに費用がかかったり、構造の問題などで思ったようなリフォームができなかったりすると後悔をしてしまうかもしれません。
工事に入る前にリフォームの内容を明確にし優先順位をつけるなど、できる限り準備をして後悔しないようなリフォーム計画を立てましょう。
後悔しないようにしっかり準備をして、スケルトンリフォームで理想の家を手に入れてくださいね!